2026年11月3日
クロージングとは? 営業の最後に、相手に申し込むかどうかを決めてもらうこと
個別相談で、話は盛り上がった。
なのに最後は、こう言われて終わる。
「もう少しちゃんと考えて、確認させていただいてから、入会しようかなって今思っています」
弊社は、個別相談で売っている方の集客と販売をサポートしています。
この終わり方は、話し方が下手だから起きるのではありません。
話の中身は良かったのに、最後の場面の進め方で止まっています。
押して決めさせるより、相手が自分から「やりたい」と言って始めてくれるほうが、売る側も買う側も気持ちいいですよね。
そのために見直すのが、最後の場面=クロージングです。
クロージングで売る側がやることは、説得ではなく質問です。
クロージングとは? 申し込むかどうかを、相手に決めてもらう場面のこと
クロージングは、営業の最後に、相手に「申し込むかどうか」を決めてもらうことです。
営業の流れを3つに分けると、こうなります。
- 相手の話を聞く
- 商品を案内する
- 申し込むかどうかを決めてもらう
この3つめが、クロージングです。
ここは「こちらが決めさせる場面」ではなく、「相手が決める場面」です。
この1点で、最後の進め方がまるごと変わります。
「考えておきます」で終わるのは、最後の言い方のせい? まだ相手を分かりきれていない合図です
最後のひと言を変えれば決まる、と考えたくなります。
でも、言い回しを変えても決まりません。
話は盛り上がっていて、やる気もある。それでも決まらないのは、こちらが相手を分かりきれていないから。
相手が何に困っていて、なぜ今それを変えたいのか。
それを相手が自分の口で話していないまま案内すると、相手は「いい話だな」で止まります。
自分の話になっていないからです。
だから、分かりきれていないと感じたら、案内に進みません。
質問に戻ります。
押し売りにならないか怖い。最初に「合わなければ断ってください」と言ってしまいます
押し売りと思われたくないから、お願いは控えめにする。
でも、その控えめさが、止まる原因になります。
こんな人がいました。
個別相談で、1時間かけて相手の話をじっくり聞いた。
案内を始めたのは、終わりの5分前。
値段は資料に書いてあるからと、口では言わなかった。
最後は「何かあれば、ご連絡ください」で終えた。
連絡は、来ませんでした。
この人は、押し売りをしたわけではありません。
言うべきことを、言わなかっただけです。
押し売りは、聞くことではありません。
相手が迷っているのに、決めさせることです。
聞かなければ、相手は申し込みたくても、申し込む場面がありません。
それでも聞くのが怖いなら、相談の最初に、こう言ってしまいます。
「お話を聞いて、合わないと思ったら、遠慮なくそうおっしゃってください」
断ってよいと先に言っておけば、最後に聞くのは「決めさせる」ではなく「決めてもらう」になります。
お願いの前に、何を聞いておけばいい? 相手が自分で「変えたい理由」を話せる質問です
クロージングの芯は、1つです。
相手を説得するのではなく、相手が自分で自分を説得できるように聞く。
相手がまだ言っていない困りごとを、こちらが「それは困りますよね」と先に言うと、売り込みになります。
相手が自分で「これは困る」と言うと、それは相手の決心になります。
小さな個別相談なら、聞くのは5つで足ります。
- 今日の相談に、なぜ申し込んでくれたのか
- その悩みは、いつから続いているか
- これまで、何を試してきたか
- このまま続いたら、どうなりそうか
- 解決したら、どうなっていたいか
3つめを聞くと、試してきたことを話すうちに、「だから今度こそ変えたい」という理由が、本人の言葉で出てきます。
4つめは、相手が「このままは嫌だ」と思っているかどうかを、確かめるための質問です。
1つだけ、やらないことがあります。
相手が言う前に、「こういう所で困っているんじゃないですか」と、こちらから決めつけることです。
言った瞬間に、相談相手ではなく、売り込みに来た人になります。
相手が言ったことをまとめて返すのはよくて、言っていないことを先に言うのはだめ、という線です。
答えを聞いたら、ひと言にまとめて返します。
「つまり、〇〇で困っていて、△△になりたいんですね」
案内はいつ始めればいい? 「興味はありますか」と聞いてから、値段まで口で言います
まとめに「そうなんです」が返ってきたら、案内に入る前に1つ聞きます。
「今の〇〇から抜けて、△△に近づける方法があるとしたら、興味はありますか」
〇〇には相手が話した困りごと、△△には相手が話したなりたい姿を、相手の言葉のまま入れます。
「あります」と返ってきてから、案内を始めます。
相手が自分で「聞きたい」と言った話なので、売り込みになりません。
案内の中で、値段と払い方まで口で言います。
値段が分からなければ、相手は「やりたいか」を考えようがありません。
値段は、「やってみたいか」を聞くより前に言います。
最後は、何と聞けばいい? 先に気持ち、次に迷い、の順に2回聞きます
値段まで伝えたら、いきなり「申し込みますか」とは聞きません。
聞くのは、気持ちと迷いの2つです。
- やってみたいか、やってみたくないか(気持ち)
- 引っかかっている所はあるか(迷い)
「申し込みますか」は行動の確認です。
気持ちも迷いも確かめないうちに行動を聞くと、相手は身構えて、「考えておきます」になりやすくなります。
弊社の代表が、実際の相談で使っている聞き方はこうです。
1問目:「ちなみにどうですか。やってみたいなとか、やってみたくないなとか」
2問目:「ご不明な点とか不安な点とか、なんかネックになってるポイントとかってあったりしますか」
言い慣れないうちは、「やってみたいと思いましたか。それとも、あまりピンと来なかったですか」と、どちらの答えでも言いやすい形にしておくと楽です。
1問目に「やってみたい」が返ってきても、すぐ申し込みには進みません。
2問目で、迷っている中身を出してもらいます。
たとえば、こんな人がいました。
1問目には「やってみたいです。でも、続けられるか不安で」。
2問目で「ほかにも引っかかる所はありますか」と聞くと、「平日の夜しか時間が取れなくて」。
どちらも、進め方で解ける迷いでした。
解き方を一緒に確かめてから、「では、手続きをご案内してもいいですか」と聞くと、返事は「お願いします」。
本人が自分で「やりたい」と言い、自分で迷いを片づけたので、押す場面は一度もありませんでした。
気持ちが「やってみたい」で、迷いも片づいたら、最後は手続きの案内です。
「では、申し込みの手続きをご案内してもいいですか」
ここまで来ていれば、押し売りにはなりません。
相手はもう、自分で「やりたい」と言っているからです。
迷いが出たら、どう返す? 全部出してもらい、「でも」で返さず一緒にほどきます
2問目で出てくる迷いは、決める前に考えている証拠です。
断りの合図ではありません。
迷いは、1つ出たら「ほかにもありますか」と聞いて、全部出してもらいます。
途中で1つずつ答えていくと、あとから別の迷いが出て、話が戻ります。
出てきた迷いには、「でも」「しかし」で返しません。
「でも」と言った瞬間に、相手の言葉を否定したことになるからです。
まず「そうなんですね」と受け止めます。
そのうえで、「その点、一緒に考えてもいいですか」と許可を取ってから、ほどきます。
「高いですね」と言われても、すぐに値引きの話はしません。
何が高いと感じたのかを、まず聞きます。
「高いと感じたのは、どのあたりですか」と聞くと、答えはだいたい、期間が長い・払い方が合わない・中身が多すぎる・今は予算が無い、のどれかになります。
答えが期間・払い方・中身の量なら、直すのは言い方ではなく、商品の差し出し方のほうです。たとえば、払い方を分けられるようにする、期間の短いコースを用意する、といったことです。
答えが「今は予算が無い」なら、「いくらぐらいなら無理がないですか」と聞きます。合う形が無ければ、そこで終えます。
条件の見直し方は、こちらにまとめています。
その場で決まらなかったら? 1回で決めなくていい。次に話す日だけ決めます
迷いをほどいても、その場では決まらないことがあります。
1回の面談で、決めきらなくていいのです。
弊社の代表も、相談の場で「他にも何人か説明を聞く約束をしている」と言われたことがあります。
代表は「全然大丈夫です」と返し、いつ頃までに決められそうかを聞きました。
そのうえで返事の日を一緒に決め、返事は「イエスでもノーでも」「迷ってますでも」大丈夫だと伝えています。
返事の日が決まっていれば、こちらから連絡するのは、押し売りではなく約束の確認になります。
迷いがまだ大きいときは、返事の日ではなく、「もう一度話す日」を決めます。
「検討します」と言われたあとの返し方は、こちらに詳しく書きました。
やってはいけないのは? 急がせる・借りさせる・隠させる、の3つです
弊社は、ほかの人の個別相談の録音を何本も聞いてきました。
その中には、申し込みまで進んだのに、聞いていて苦しくなる相談もありました。
ここまでの流れと、ちょうど逆のことをしている相談です。
1つめは、その場で作った期限で急がせること。
「今日中に1万円だけ入れてもらえれば、この値段のままにします」
こう言われると、相手は考える時間を取り上げられます。
決めたのは本人ではなく、期限のほうです。
2つめは、お金を借りさせること。
予算が無いと言った人に、「親から借りるのは」と持ちかける。
使える額が7,000円しか残っていないカードの人に、別のカードで同じ支払いをもう一度させる。
「いくらぐらいなら無理がないですか」と聞くのとは、向きが正反対です。
3つめは、家族に隠させること。
「妻には言えない金額ですね」と言った人に、「2か月黙っていれば大丈夫」と返していた相談がありました。
その人は少し前に、前の買い物を奥さんに隠してばれた話をしていました。
どの相談も、その日は申し込みになっています。
でも、相手が自分で決めたわけではありません。
決めさせられた申し込みは、信頼を1つ使って取ったものです。
明日やること:次の個別相談の前に、質問の流れを1枚のメモにする
メモに書くのは、この順番です。
- 最初に:「合わないと思ったら、遠慮なくそうおっしゃってください」
- なぜ今日の相談に申し込んでくれたのか
- その悩みは、いつから続いているか
- これまで、何を試してきたか
- このまま続いたら、どうなりそうか
- 解決したら、どうなっていたいか
- まとめて返す:「つまり、〇〇で困っていて、△△になりたいんですね」
- 「今の〇〇から抜けて、△△に近づける方法があるとしたら、興味はありますか」
- 案内の中で、値段と払い方を口で言う
- 「やってみたいですか、やってみたくないですか」
- 「引っかかっている所はありますか」→「ほかにもありますか」
- 「では、申し込みの手続きをご案内してもいいですか」
- 決まらなければ、返事の日か、もう一度話す日を一緒に決める
Zoomなら、画面の横に置いておけます。
弊社の代表も前の職場では、売れている先輩の商談を文字に起こした台本を、手元に置いて話していました。
自分の商品に合わせた言い方は、ChatGPTなどのAIに作らせると早いです。
下の文に、さっきのメモを付けて貼ります。
自分は(講座・サービスの内容)を、Zoomの個別相談で売っています。
値段と払い方:(例:月3万円・いつでもやめられる)
相談に来る人:(例:教室を経営していて、発信が続かない人)
下のメモの13行を、この商品と相手に合わせて、話し言葉の質問に1つずつ書き直してください。
「今だけ」「残りわずか」のような急かす言葉と、相手の迷いに「でも」で返す言い方は使わないでください。
(ここに上の13行のメモを貼る)関連記事
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