2026年10月27日

キャッチコピーの作り方|お客さんの言葉で何本も書いて、自分以外の目で選ぶ

キャッチコピーの作り方|お客さんの言葉で何本も書いて、自分以外の目で選ぶ

LPを作る打ち合わせで、こんな言葉が出ました。

「めちゃくちゃ刺さると思うけど、それを一言で言うのがめっちゃむずい」

商品には自信がある。説明しろと言われれば、何分でも話せる。なのに、一番上に置く一行だけが決まらない。

Googleで「キャッチコピー 作り方」と打つと、予測候補に「思いつかない」「難しい」が並びます。「キャッチコピー 例」は、「作り方」よりも多く調べられています。名作を眺める。型の一覧を読む。AIに案を出させる。

それでも決まらない、という声は弊社の打ち合わせでも出ています。AIに出させた案を並べて、こう言った人がいました。

「なんか全部弱ええなぁ」

案は出る。ただ、どれを出せばいいのかが分からない。

ひらめきが降りてくるのを待つより、毎回同じ手順で、お客さんが手を止める一行を出せるほうがいいですよね。センスがある日もない日も、同じやり方で、そこそこ当たる一行が出せる。この記事は、そのための手順です。

キャッチコピーとは? 次の一行を読ませるための一行のこと

キャッチコピーの役目は、その下の文章を読ませることです。

商品を説明しきる必要はありません。売る必要もありません。読む人の手を止めて、次の一行へ目を動かせば、仕事は終わりです。

だから、LPの一番上の一行、SNSの投稿の一行目、メルマガの件名、動画の最初のひと言は、どれも同じ役目を持っています。この記事では全部まとめて「キャッチコピー」と呼びます。

この一行がどれだけ効くかについて、SNSでの発信に詳しい知人が、弊社の代表と自分の投稿を比べてこう話したことがあります。

「書いてる文章のクオリティとか内容は僕と変わんないです。でも一言目だけが、多分僕と(代表の)違いですね」

中身が同じでも、一言目で読まれるかどうかが分かれる。読んでもらえる前提で書かない、というのがキャッチコピーの出発点です。

センスが無くても作れる? 何から手をつければいいのか

作れます。順番は4つです。

  1. 集める:お客さんが実際に口にした言葉を集める
  2. 書く:型に入れて、案を何本も書く
  3. 選ぶ:自分以外の目で選ぶ
  4. 確かめる:小さく出して、反応で決める

センスがあると、2の「書く」が速くなります。ただ、外れる理由の多くは2ではなく、1と3にあります。材料がお客さんの言葉ではなく自分の言葉だったか、選んだのが自分だったか、です。

材料はどこから持ってくるのか

お客さんの口からです。問い合わせのメール、DMの返信、面談で言われたこと、口コミ。

書けないのは、リサーチが足りないからです。机の前で言葉をひねり出そうとして止まるのは、才能の問題ではなく、手元に材料が無いからです。

いちばん簡単な使い方は、相手の悩みを、相手の言い方のまま一行に入れることです。それだけで十分に強い一行になります。言い換えて上品にすると、読む人が「自分のことだ」と気づく手がかりが消えます。

面談で言われた一言は、数日たつと思い出せなくなります。Zoom で打ち合わせをしているなら、文字起こしから、お客さんの言い回しを言われたまま残しておく方法を別の記事に書いています。

良いところがいくつもあるとき、どれを一番に言うのか

自分の商品なので、言いたいことはいくつもあります。全部入れたくなります。

入れると、読む人には「結局、何の商品なの?」としか届きません。キャッチコピーは一呼吸で言える長さに、言うことを1つだけ載せます。

どれを選ぶかは、次の3つの組み合わせで決めます。

  • 相手がすでに興味を持っていること
  • そこに、相手がまだ知らないこと
  • 頭の中に絵が浮かぶ言葉

良いところの中で、相手がもともと気にしていることに一番近いものを選びます。こちらがいちばん自信を持っている所と、相手がいちばん気にしている所は、たいてい一致しません。

型に入れて、案をいくつも書く

代表的な型を挙げます。

  • 悩みをそのまま書く:お客さんが言った悩みを、言い方を変えずに置く
  • 問いで止める:答えを書かず、続きを読まないと分からない形にする
  • 数字で具体にする:「数週間で」より「16週間で」のように、ぼかさずに言う
  • セリフにする:お客さんが心の中で言っていそうな一言を、カギかっこで置く
  • 売れている一行を借りる:反応が取れている見出しの骨組みだけ借りて、自分の言葉に置き換える

文字数は、迷ったら「一呼吸で言えるか」で決めます。数字は、本当にある数字が手元にあるときだけ、上の「数字で具体にする」で使います。無い数字を作ってまで入れることはしません。LPとSNSも、役目が同じなので、同じ手順で作ります。

案の数は、よその記事では「最低20〜30案」と書かれていることもあります。弊社では、ブログの題は毎回3案、スタッフに題を頼むときは5案ほど出してもらっています。

まずは、いまの一行に対抗馬を3本書けば、並べて選べます。3本とも弱いと感じたら、そこで書き足します。数より大事なのは、書いたあとです。

いちばん外すのは、作った本人がいちばん気に入った案

キャッチコピーで一番外しやすいのは、作った人が「これだ」と思った案です。

案を並べていたとき、スタッフが「私には刺さります」と言った案がありました。弊社の代表の返事はこうでした。

俺らが刺さるってことはさあ、違うと思うよ

作った側は、商品のことを知りすぎています。言葉の意味も、裏にある理由も、全部分かったうえで読んでいる。お客さんは、何も知らずに一行だけを見ます。

作る側と読む側の感覚のずれが、数字に出たことがあります。弊社が手伝っている、ある事業者のメルマガで、件名ごとの開封率を打ち合わせで確かめたときのことです。(数字は、打ち合わせの中で口頭で確かめたものです)

件名

開封率

ふだんの配信

23.6〜25% 前後

「成功してる女性経営者」を入れた件名

13〜14%

「今人生の転換期なのかも」

28.7%

「成功してる女性経営者」の回だけ、ふだんより10ポイントほど低い。代表が「経営者っていう単語が良くなかったかもしれないですね」と言うと、スタッフは「女性経営者の方が気になるんだけどなあ」。代表はこう返しています。

我々は一般の感覚がずれてますからね

作る側が「気になる」と感じた言葉が、読む側では素通りされていました。反対に、いちばん開かれたのは「今人生の転換期なのかも」(28.7%)でした。肩書きの入っていない、読む人が心の中でつぶやきそうな一言で、上の「セリフにする」型の形です。

だから弊社は、ブログの題を決めるとき、選ぶ役を書いた役と分けています。弊社では、題の案を出す役と、その案をふるいにかける役を、別々のAIに任せています。ふるいにかける側のAIには本文を見せません。残った案から最後に決めるのは、弊社の代表です。本文を読むと「この題にも理由がある」と納得してしまい、題だけを見て開くかどうか決める読者と、同じ目で見られなくなるからです。

選ぶときに聞くことは1つです。ブログの題なら、検索から来る人が相手なので「この題は、読者が打った言葉に、まっすぐ答えているか」。投稿の一行目やLPの一番上のように、読む人が何も打っていない一行なら「どれなら続きを読みたいか」です。

センスを否定する必要はありません。センスの代わりに、選ぶ場所を自分の外に置く。それだけで、外す回数は減らせます。

一度落とした案は、言い換えで戻ってくる

もう1つ、選んでいて気づいたことがあります。弊社のブログで、ある記事の題を決めていたときのことです。上に書いた、選ぶ役のAIが「やることの順番」という言葉の入った案を、理由をつけて落としました。その直後、出す役の次の候補に「何から始めて」が入っていました。

書いた本人は、言葉を替えたので別の案だと思っています。選ぶ側から見ると同じ案です。落とした案は、なぜ落としたかを1行書いて残しておくと、次に同じ線が出てきたときに気づけます。

弊社が実際に書き直した一行:前と後

弊社が書き直した一行を、何を見て直したかと並べます。

① 無料の30分の案内

何の案内か:弊社のAIの道具を受け取った人に向けて、マーケティングのプロと1対1で、AIの使い方を話す、30分・無料の枠の案内ページです。

  • 前:30分の個別相談をご用意しました
  • 後:30分の枠を取りました。無料です。相談ではなく、対談です。

「相談」と書くと、来るのは困っている人だけになります。すでにAIを使いこなしている人は、相談することが無いので来ません。来てほしかったのは後者だったので、「相談」という言葉を外して、「対談」と書きました。

② 講座の案内LPの一番上

何の案内か:講座やコンサルをしている人に向けて、コンサルの録画から、メルマガやステップ配信(登録した人に、決めた順番で1通ずつ届く配信)、SNSの投稿を作る方法を案内するページです。

  • 前:一番いい話は、コンサルの中で、もう話している。
  • 後:60分の録画1本から、これだけ出てきます。

前の版は、言っていることは正しいけれど、読む人が何を受け取れるのかが見えませんでした。後の版の「これだけ」は、その録画1本から作れるメルマガ・ステップ配信・SNSの投稿のことです。受け取れるものを、録画1本から出てくる量で見せる形に替えました。

③ 登録用LPの一番上

  • 前:AIに仕事を覚えさせても、あなたの仕事は減りません。覚えさせるのは、あなたの『判断』です。
  • 後:「自分がやったほうが早い」そう思っていた仕事が、スタッフの手で、同じ品質で出るようになりました。

反応が取れている見出しを集めたもの(スワイプファイル)を見ながら、セリフの形にして、1行を短くしました。前の版は、読む人の思い込みを否定するところから始まっていました。

④ このブログの記事の一行目

  • 前:きっかけは、たぶんホームページそのものではないと思います
  • 後:うちのホームページ、そろそろ古いよな

ホームページの作り直しを考えている人に向けた記事です。前の一行目は、読者がこの記事に来た理由を否定していて、試しに読んでもらった人がそこで閉じかけました。読者が頭の中で言っている一言に替えています。

広告費をかけずに、どれが当たるか確かめる方法

よその記事には「A/Bテストをする」と書いてあります。2つの案を同時に出して、どちらの反応が良いかを比べる方法です。広告費とアクセスがある会社なら、それが一番確かです。

小さな会社では、そこまで回せないことが多い。その場合は、すでに毎回出しているものを比べる場所にします。

  • メルマガの件名:開封率が配信ごとに出ます。さきほどの件名のように、ふだんの開封率と比べれば、その一行が効いたかどうかが分かります
  • SNSの投稿の一行目:投稿ごとの表示や反応の数を、ふだんの投稿と比べます
  • ブログの題:Googleが無料で出している管理画面(Search Console)に自分のサイトを登録すると、題が検索結果に表示された回数と、クリックされた回数が見られます

同じ回に2案を出すのではなく、「ふだん」の数字と比べます。自分が気に入ったかどうかではなく、読む人の手が止まったかどうかで決めるためです。

「ふだん」は、直近の5回ほどを並べて、いちばん低い回からいちばん高い回までの幅として持っておきます。その幅から外れた回だけを見れば十分です。さきほどのメルマガでは、ふだんが23.6〜25%前後で、「成功してる女性経営者」の回はそこから10ポイントほど下でした。幅の中に収まった回は、たまたまの上下と区別がつかないので、良し悪しを決めません。

変えたあとに数字が動いたとき、それが一行のせいなのか、時期のせいなのかを見分けたい方へ。一度もとに戻して、数字も戻るかを見る確かめ方を、別の記事の後半に書いています(題材は登録特典ですが、確かめ方は同じです)。

AIに案を出させるときに渡すもの

案を何本も書く段階は、AIに頼むと速くなります。ただ、頼み方によっては外れます。

弊社でも、AIに「数字入れて」とだけ頼んだら、「メール◯通で300いくら」のような、どこから来たのか分からない数字の入った案が返ってきたことがあります。そのときの反応は「それだとなんか違うよ」でした。AIは、渡されていない事実を、それらしく作ります。

渡すのは、お客さんが実際に言った言葉と、本当にある数字だけ。そして、出てきた案を、案を出したAIにも自分にも選ばせないことです。案を出したAIは、作った本人と同じ立場です。弊社のブログの題のように、選ぶ役を別のAIに分けるやり方もありますが、手元で1本の一行を選ぶなら、下の「明日やること」のとおり、読む人に近い人に見てもらうのがいちばん手軽です。AIにどんな材料を渡すかは、コピーライティングの記事で詳しく書いています。

明日やること:いま出している一行に、対抗馬を3本書いて、自分以外の人に選んでもらう

全部を作り直す必要はありません。いま使っている一行を1つだけ選びます。

1. いま出している一行を1つ選ぶ
LPの一番上、固定している投稿の一行目、次に送るメルマガの件名のどれか1つです。

2. お客さんの言葉を3つ集める
問い合わせ、DM、面談のメモから、悩みが書いてある一言をそのまま抜き出します。

3. 対抗馬を3本書く
自分で書くか、AIに頼みます。AIに頼むなら、下の文をそのまま貼ります。型は、作り話が入りにくい3つに絞っています。本当にある数字が手元にあれば、「数字で具体にする」を4本目に足します。

(商品・サービスの内容)を売っています。
いま、(LPの一番上・投稿の一行目・メルマガの件名)に、次の一行を使っています。

(いまの一行)

下は、お客さんが問い合わせやDMで実際に書いてきた言葉です。言い回しは変えずにそのまま貼ります。

(ここに3つ貼る)

この言葉を使って、いまの一行の代わりになる案を3つ出してください。
条件:
①お客さんが自分で言いそうな言い方にする
②一呼吸で読める長さにする
③上に貼った言葉に無い数字や実績は、作らない
④3つは、それぞれ違う型にする(悩みをそのまま書く/問いで止める/セリフにする)

4. 自分以外の人に選んでもらう
いまの一行と3本を、どれが元のものか分からないように並べて、家族や知人、できればお客さんに近い立場の人に見せます。聞くのは「どれなら続きを読みたいか」だけ。商品の説明はしません。

5. 選ばれた一行を、次の1回で出す
メルマガなら次の配信の件名に、投稿なら次の投稿の一行目に使って、ふだんの数字と比べます。LPの一番上を選んだ場合も、差し替える前に、同じ一行を次の投稿の一行目かメルマガの件名で一度出して、ふだんの数字と比べます。役目が同じ一行なので、反応の数が多く出る場所で確かめてから、LPに入れます。

AIに文章を書かせて、出てきた原稿を毎回自分で直している方へ。その直し方を、次の原稿に引き継ぐ方法をまとめた記事を、LINEで無料でお送りしています。弊社でAIの原稿を実際に直した記録と、そこから取り出した7つの判断基準、コピーして使えるチェックリストを載せています。

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