2026年9月22日
リードマグネットとは?種類と作り方|外したら獲得単価が2.8倍に悪化した話
メルマガや公式LINEに登録してほしい。広告やSNSから人は来ているのに、登録が増えない。
そういうとき、足りていないことが多いのが、「登録してくれた人に渡す、無料のもの」です。これを、マーケティングの言葉でリードマグネットと呼びます。
この記事は2つに分かれています。前半は、リードマグネットとは何か、どんな種類があるか、何を配ってどう作るか。後半は、弊社が実際にその特典を外して、戻して、広告費がどう動いたかの記録です。
題にある「獲得単価」は、1人に登録してもらうのに、広告費がいくらかかったかのことです。弊社が特典を外したら、この金額が2.8倍になりました。同じ1人に登録してもらうのに、2.8倍のお金がかかるようになった、ということです。
これから特典を作る方は、前半だけでも明日の一手が決まります。すでに配っていて「外そうか」と迷っている方は、後半から読んでも通じます。
リードマグネットって、そもそも何のこと?
リードは見込み客、マグネットは磁石。見込み客を引き寄せるために、無料で渡すもの、という意味です。
見込み客は、まだお客さんではないけれど、連絡先を教えてくれたり、セミナーに申し込んでくれたりした人のこと。メールアドレスを教えてもらう、LINEの友だちになってもらう。その代わりに何かを渡す。その「何か」がリードマグネットです。
日本語では「登録特典」「無料プレゼント」と呼ばれます。この記事では、ふだんの言い方に合わせて「登録特典」と書きます。
大事なのは、これが交換だということです。相手は、連絡先を教えるという手間と引き換えに、それを受け取ります。だから中身を考える前に、「相手がその手間を越える気になるか」で決まります。
登録特典には、どんな種類があるの?
「リードマグネット」で調べると、意味の解説や作り方、アイデアの一覧がずらりと並びます。数は多いのですが、配られているものを並べると、だいたい次の形に収まります。
種類 | 中身の例 | 相手のどんな困りごとに渡すものか |
|---|---|---|
まとめ資料(PDF) | 業界の数字、入門の解説 | 全体像をまだ知らない |
チェックリスト | 抜けがないか確かめる一覧 | やることは分かるが、漏れる |
テンプレート・ひな形 | 書き換えるだけで使える文面や表 | 毎回ゼロから作っている |
動画・セミナーの録画 | 過去に開いた回の録画 | 手順や画面を見ないと分からない |
無料の診断・チェック | 質問に答えると結果が出るもの | 自分がいまどの状態かを知らない |
事例集 | 実際にやった例を並べたもの | 「本当にできるのか」を疑っている |
仕組みの作り方キット | パソコンでの決まった作業を自動でやる仕組みと、その入れ方の手順書 | 欲しい仕組みがあるが、作り方が分からない |
無料相談・個別面談 | 時間そのもの | 事情がばらばらで、資料では答えが出ない |
この表は、弊社が効きめを比べて順位を付けたものではありません。世の中で配られているものを、渡す相手の困りごとで分けただけです。
弊社がいま配っているのは、この表でいう「仕組みの作り方キット」です。Zoomで打ち合わせをすると、そのまま文字起こしと議事録になって、お客さんごとのフォルダに溜まる。その仕組みと、入れ方の手順書です(記事の最後で案内します)。
結局、何を配って、どう作ればいいの?
種類の一覧を見ても、自分が何を配ればいいかは決まりません。決め方は、1つの問いに絞れます。その特典は、相手が登録の手間を越える理由になっているか。
順番は4つです。
1. 渡したあと、相手に何をしてほしいかを先に決める
特典そのものが目的ではありません。受け取ってもらったあと、次に進んでほしい場所があるはずです。弊社の場合は「セミナーに来てほしい」でした。
ここが決まっていないと、中身も決まりません。「良さそうなもの」を配っても、次につながらないからです。
2. 相手がいま面倒だと思っていることを、1つ選ぶ
その相手が「これは面倒だ」と思っていることのうち、自分が代わりに片付けられるものを1つ選びます。弊社の場合は、打ち合わせのあとの議事録でした。
思いつかなければ、ChatGPT などのAIに手伝ってもらえます。下の文を、そのまま入力欄に貼ります。
私は(商売の内容)をしています。お客さんになる前の人から、打ち合わせや問い合わせでよく聞かれること、よくこぼされる困りごとを、思い出せるだけ書き出しました。
(ここに書き出す)
この中から、「無料で配れる小さなもの1つで、受け取った日のうちに片付くもの」を選んで、それぞれ何を作ればいいかを1行で書いてください。
出てきた案は下書きとして使い、最後は自分で選びます。
3. 受け取った日のうちに終わる大きさにする
受け取った人が、その日のうちに1つ終わらせられる大きさにします。チェックリストなら1枚、ひな形なら書き換える所が数か所、動画なら一度で見きれる長さ。受け取った人が、その日のうちに「終わった」と言えるかどうかが線引きです。
分厚いほど喜ばれる、とは限りません。受け取っても終わらないものは、渡したことになりません。
4. 最後に、自分で読み返して1つだけ確かめる
「これを受け取るためなら、LINEに登録する手間をかけてもいい」と、自分で思えるか。
思えなければ、中身がどれだけ立派でも、登録は増えません。特典は、登録する理由そのものだからです。
なぜそう言い切れるのか。ここから先が、弊社が外して、戻して確かめた記録です。
特典目当ての人が気になるなら、特典は外したほうがいいの?
こういう流れで集客していると、一度はこう思うかもしれません。
「特典が目当ての人ばかり、集まっていないか。特典だけ受け取って、セミナーには来ない人が多いんじゃないか。特典なんて無いほうが、本当に来たい人だけが集まるんじゃないか」
弊社も、そう思いました。そして、実際に外しました。そのあと、戻しました。その数字で答えます。
外さないでください。特典は、人が登録する理由そのものでした。
弊社は特典を外して、LINE登録1人あたりの広告費が約500円から約1,400円に上がりました。2.8倍です。特典を戻すと、約700円まで下がりました。
同じ1人に登録してもらうのに、2.8倍のお金がかかるようになった、ということです。広告を出していない方は、金額を人数に置き換えて読んでください。同じ広告費なら、登録してくれる人が半分以下に減る、という意味になります。
参加者の質が気になるなら、手を入れる場所は特典ではありません。そこは後半で書きます。
まず、外したときに何が起きたかから。
「獲得単価」って、何の値段のこと?
もう一度、言葉の整理です。「獲得単価」は、見込み客を1人集めるのにかかった広告費のこと。解説記事では「CPA」と書かれていることもあります。
広告費を、集まった件数で割って出します。
安いほど少ない広告費で人が集まっている、高いほど損をしている、という数字です。この記事では「1件あたりの広告費」と呼びます。
特典を外したら、本当に人が集まらなくなったの?
もともとの流れは、こうでした。
広告 → LINEに登録 → 登録特典を渡す → そのあとセミナーに案内する
これを、登録のお礼に特典を渡すのをやめました。
広告 → LINEに登録 → セミナーに案内する
狙いは単純です。特典目当ての人が混ざるくらいなら、最初からセミナーに来る気がある人だけを集めたほうが、濃い集まりになるだろう。そう考えました。
下の表の「1件」は、3つとも同じものです。広告を見て、LINEに登録した1人。広告費を、その人数で割っています。
状態 | 1件と数えたもの | 1件あたりの広告費 | もとの何倍か |
|---|---|---|---|
特典あり(もともと) | LINE登録1人 | 約500円 | ー |
特典を外した | LINE登録1人 | 約1,400円 | 2.8倍 |
特典を戻した | LINE登録1人 | 約700円 | 1.4倍 |
外したら上がり、戻したら下がりました。同じ数え方どうしを並べた比べ方です。
戻したときの700円は、もとの500円までは戻りきっていません。その差が何によるものかは、この数字からは分かりません。
特典を外したのと同じ月に、申込ページの2行も消しています(あとで書きます)。ただ、申込ページを見るのはLINEに登録したあとなので、その一言を消しても、広告を見てLINEに登録する人の数は動きません。この表の上がり下がりは、特典によるものです。
なんで特典を外すと、そんなに高くなるの?
広告を見た人にとって、LINEに登録するのは、それなりに面倒です。その面倒を越えてもらうには、何かを渡す必要がある。特典は、そのためにありました。
「特典目当ての人を集めるもの」に見えていた特典は、実は登録する理由そのものだったんです。
それを外すと、登録する理由は「セミナーに参加したいから」だけになります。集まる人の数は、広告を見た瞬間に「セミナーに参加したい」と思える人の数で頭打ちになります。同じ広告費で集まる人が減れば、そのぶん1件あたりの広告費は上がります。
特典だけ受け取って来ない人が気になるなら、どうすればいいの?
ここからしばらく、弊社のセミナーの話が続きます。セミナーをやっていない方は、「登録してもらったあとに見せる文」の話として読んでください。
この悩みは、2つに分かれます。
- 登録したきり、セミナーに申し込まない人
- 申し込んだのに来ない人、来ても見ているだけの人
弊社が手を打ったのは、2つ目のほうです。打った場所は、特典ではありません。申込ページで「どう参加してほしいか」を書き直すことでした。
申込ページには、こう書いていました。
- 参加無料
- どこからでも参加OK
- 顔出しなしでOK
- 見るだけでもOK
顔出しは、カメラをオンにして、自分の顔を映して参加することです。
親切のつもりでした。参加のハードルは低いほうがいい、と思っていたからです。
ところが当日、カメラをオフにしたままの参加者が、かなりの割合でいました。はじめに「よければカメラをオンにしてください」と伝えても、変わりません。
それはそうです。申込ページに、先に「なしでOK」と書いてあるのですから。
そこで、下の2行(「顔出しなしでOK」「見るだけでもOK」)を消しました。すると、参加者の姿勢が、良い方向に変わりました。
ページの下のほうに小さく置いていた2行でしたが、参加者はちゃんと読んでいました。
参加の仕方について書いた一言は、「こう参加すればいい」という案内として読まれていました。「見るだけでOK」と書けば、見るだけのつもりの人が来る。当たり前のことでした。
来てほしい人を絞りたいなら、特典ではなく、申込ページのこうした一言を直します。
ただし、この2行が届くのは、申込ページまで来た人です。登録したきり申し込まない人には届きません。その人が多いかどうかは、LINEに登録した人のうち何人が申し込んだかで分かります。
なお、特典目当てで登録した人が、そのあと申し込んだかどうかは、弊社では比べていません。
外していい一言と、外してはいけない一言は、どう見分けるの?
どちらも「余計そうなもの」を外すつもりでやりました。でも、外したものの役目が違いました。
外したもの | 役目 | 外した結果 |
|---|---|---|
登録特典 | 登録する理由 | 1件あたりの広告費が2.8倍に上がった |
「顔出しなしでOK」「見るだけでもOK」 | 参加の仕方を決める一言 | 参加者の姿勢が変わった(数えてはいない) |
見分け方は、1つの問いにまとめられます。
その一文を消したら、相手が申し込む理由が減るか。
- 減る → 人を集めている一文。触らない(例:特典、日程の選択肢、参加無料)
- 減らない → 参加の仕方を決めている一文。外してよい候補(例:顔出しなしOK、見るだけOK、途中退出OK)
「見るだけでもOK」は、申し込む理由というより、参加の仕方の指定です。特典は違います。特典を消すと、申し込む理由そのものが消えます。
外して数字が悪くなっても、季節のせいかもしれないのでは?
今回いちばん助かったのは、すぐ戻したことです。
1,400円になった時点では、ほかの理由も考えられました。季節のせいかもしれない。広告の画像や文章が古くなったのかもしれない。広告の数字には、いくらでも言い訳がつきます。
でも、特典を戻したら、700円まで下がりました。
季節や広告の古さのせいなら、特典を戻しても、ここまでは下がらないはずです。戻したら数字も下がったので、特典を外したことが上がった原因だと判断できました。
まだ特典が無いなら、明日は何をすればいいの?
ここまでの数字は、弊社の1つの商品で出たものです。ほかの商品で同じことが起きるかは、確かめていません。だから、自分のページで確かめます。
特典をまだ配っていないなら、確かめる前に、まず1つ作ります。順番は前半のとおりです。渡したあと相手に何をしてほしいかを決めて、その人がいま面倒だと思っていることを1つ選び、受け取った日のうちに終わる大きさにして、最後に「自分なら、これのために登録するか」を読み返す。
作る前に、いまの数字をメモしておきます。広告を出していないなら、金額は要りません。期間を決めて、その期間に何人登録したかを数えるだけです。メルマガなら登録した人の数、公式LINEなら友だちが増えた数です。
特典を出したら、同じ長さの期間で、もう一度数えます。増えていれば、その特典は登録する理由になっていた、ということです。増えていなければ、前半の手順2(相手がいま面倒だと思っていること)に戻って、選び直します。
すでに配っている特典を、外していいか確かめるには?
ここから先は、もう特典を配っていて、外すか迷っている方向けです。手順は3つです。
1. 変える場所に合わせて見る数字を決め、いまの数字をメモする
変える場所によって、見る数字が違います。
変える場所 | 見る数字 |
|---|---|
特典や広告の文(LINE登録の前に見るもの) | 広告費 ÷ LINE登録の数 |
申込ページの一言(LINE登録のあとに見るもの) | LINEに登録した人のうち、申し込んだ人の数 |
当日の様子(顔出しなど) | 当日、カメラをオンにした人の数 |
特典だけ受け取って来ない人が気になる | 申し込んだ人のうち、当日来た人の数 |
LINEの友だちと申込者を見比べるには、申込フォームに「LINEのお名前」の欄を1つ足します。申込フォームに書かれた名前と、LINEの友だちの名前を並べて、同じ人かどうかを確かめる作業です。数が少なければ目で見てもかまいませんし、多ければ表計算ソフトに並べます。人数で見ても割合で見てもかまいません。前と後で、同じほうをそろえて見ます。
期間を決めて、いまの数字をメモします。これが、何かを変える前の数字です。期間の長さは、変える前と後で同じにそろえます。
このメモは、良い悪いを決めるためのものではありません。あとで比べるための、元の数字です。外していいかどうかは、次の2つの手順で決まります。
2. ページの文を1行ずつ、2つに分ける
申込ページ、広告の文、LINEの案内に書いている文を、全部書き出します。1行ずつ「消したら、申し込む理由が減るか」で分けます。
1人で分けるのが難しければ、ChatGPT などのAIに、こう頼めます。
次の文は、私のセミナーの申込ページとLINEの案内に書いてある文です。1行ずつ、「消したら申し込む理由が減る文」と「消しても申し込む理由は減らず、参加の仕方を決めているだけの文(〜でもOK など)」に分けて、表にしてください。どちらか迷う文は「迷う」と書いて、理由を1行添えてください。
(ここに文を貼る)
分け方は下書きとして使い、最後は自分で決めます。
3. 外すのは1つだけ。外す前・外した後・戻した後で比べる
「減らない」か「迷う」に入った文から、1つだけ外します。一度に2つ変えると、どちらが効いたのか分からなくなります。
外したら、手順1と同じ長さの期間で、手順1で決めた数字を出します。悪くなっていたら、戻して、もう一度出します。
外して終わりにせず、戻して数字も戻るかまで見る。
この記事の数字は、どこまで確かなの?
数字の条件をまとめます。読み飛ばしてもかまいません。
- 弊社が自分で払った広告費から出した数字です。弊社の1つの商品、同じ月の中で起きたことで、件数と期間は、広告費が分かってしまうので伏せています
- 3つの金額はすべて、広告費を「LINEに登録した人の数」で割った、登録1人あたりの値段です
- 金額の話と違い、「参加者の姿勢が良い方向に変わった」だけは、運営側から見た印象です。カメラをオンにした人数や、2行を消したあとの申込の数は、数字で残していません
- 何日試せば足りるかは、弊社の数字からは言えません。件数と期間を伏せているためです
- 前半の「種類」と「作り方」は、弊社が配っている1つの特典と、外して戻して分かったこと(特典=登録する理由)から書いたものです。どの種類がいちばん人が集まるかは、弊社では比べていません
まとめ:明日やること
特典目当ての人が気になっても、特典は外さないでください。弊社で外したときは、LINE登録1人あたりの広告費が約500円から約1,400円に上がり、戻したら約700円に下がりました。特典は、登録する理由そのものでした。
参加者の質が気になるなら、次に見直すのは、申込ページの「〜でもOK」の一言です。
明日やることは3つです。
- 特典がまだ無いなら、配るものを1つ決める。渡したあと相手に何をしてほしいかを先に決めて、その人がいま面倒だと思っていることを1つ選ぶ。作る前に、いまの登録の数をメモしておく
- 登録ページ・広告・メルマガやLINEの案内の文を書き出して、「消したら、相手が登録する(申し込む)理由が減るか」で分ける
- すでに特典があって、外すか迷っているなら。外すのは1つだけ。外す前・外した後・戻した後で、同じ数字を比べる(LINEに登録した人のうち申し込んだ人の数と、当日来た人の数も)
最後に、弊社自身の登録特典のご案内です。この記事でいう「仕組みの作り方キット」の、実物にあたります。
先に条件を書きます。Zoomの有料プラン(プロ以上)を、自分で管理していること。そして、パソコンに入れて使うAI「Claude Code」と、その契約(Claude の Pro 以上・月20ドル)があること。この2つがそろう方だけが使えます。
そろっている方には、Zoom議事録キットを無料でお渡ししています。Zoomで打ち合わせをするだけで、文字起こしと議事録ができて、案件ごとのフォルダに溜まっていく仕組みです。LINEに登録して4つの質問にボタンで答えると、あなた専用のカギ(AIとこの仕組みをつなぐときに貼る文字列)と、つなぎ方の手順書が届きます。
条件が合わない方は、受け取らなくて大丈夫です。この記事の前半の4つの手順だけで、自分の登録特典は明日から作れます。
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