2026年10月21日
ステップメールとは? 登録した人に、決めた順番で1通ずつ届くメールのこと
LINEやメルマガに登録してくれた人は、何百人、何千人といる。それなのに、セミナーの告知を送っても、申し込みは数件。
案内の文章を書き直してみる。リマインドを増やしてみる。けれど、リマインドを増やしすぎると、ブロックが増える。書くのが得意な人に頼みたくても、身近にそういう人はいない。
自分で書くしかない。けれど、毎回続けるのは重い。
弊社は、集客にかかわる仕事をしている会社で、配信の作り方を教える講座も開いています。弊社の代表も、自分でメルマガを書いていたころをこう振り返っています。
「正直作るのだるいし、作る材料みたいなのが必要」
それでも手放したくないのは、自分のファンを大切にしたまま、自然に「これは欲しいな」と思ってもらえる配信です。
登録してくれた人に、売り込まれたと感じさせたくない。案内を出したときに「待ってました」と思ってもらえるほうが、出す側も読む側も、ずっと気持ちがいいですよね。ステップメールは、その状態を作るための道具です。
ステップメールとは? メルマガとは何が違うの?
ステップメールとは、登録した人一人ひとりに、登録した日を起点に、決めた順番と間隔で届くメールのことです。
たとえば「登録した直後に1通目、1日後に2通目、3日後に3通目」と決めておくと、今日登録した人にも、来月登録した人にも、同じ順番で届きます。
メルマガ(一斉配信)は、登録している全員に、同じ日に同じ1通を送ります。昨日登録した人も、1年前から読んでいる人も、受け取るのは今日の1通です。
ステップメールは、誰が読んでも1通目から順番に読まれるのが違いです。だから「案内を見る前に、これだけは知っておいてほしい」という話を、順番どおりに渡せます。
LINE公式アカウントの「ステップ配信」も、同じ仕組みです。届く場所がメールかLINEかの違いだけです。
告知しても反応が薄いリストでも、ステップメールで変わるの?
変わるのは、案内を見る前に、その人が何を読んでいるかです。
告知しか届かないリストでは、登録した人が受け取るのは「セミナーやります」「募集を始めました」だけです。案内を開く前に読んでいるものが、何もありません。
弊社で配信を手伝っているスタッフは、配信を続ける意味をこう言っています。
「いきなりなんか連絡来ても見ないけど、いつも来てるやつだったら」
弊社の代表の答えも同じです。普段の配信は「次の告知の時に来てほしいっていうためにやってる」。
弊社の代表は、セミナーや面談に来なかった人にもメルマガを送り続けていました。送り続けていると、「売れなかった人たちに売れるみたいな状態が作れる」と言います。1回の告知で来なかった人が、興味の無い人だとは限らない、ということです。
よくある組み立ては?
解説記事でよく見るのは、この順番です。
お礼 → お役立ち情報 → 事例 → 案内
順番として間違ってはいません。
困るのは、この型を埋めようとしたときです。「お役立ち情報」と言われても、何を書けばいいのかが決まらない。型はあっても、中身の決め方が書いていないのです。
中身の決め方は、通数の決め方とつながっています。
何通・何日おきに送ればいいの?
決まった数はありません。案内の前に伝え終えておきたいことの数で決まります。
弊社の中でも、通数はばらばらです。勉強会に来てもらうためのLINEのステップは4通。勉強会を予約した人に送るものは8通。1人のお客さんの話を5通の物語にしたものもあります。伝えたいことの数が違えば、通数も違って当然です。
いちばん形が整っている、勉強会の案内のステップを例に出します。
- 1通目:登録した直後
- 2通目:1日後の20時
- 3通目:3日後の20時
- 4通目:5日後の20時
5日で終わります。勉強会を予約した人には、その時点で残りが届かないようにしてあります。予約した人に印(タグ)が付くと、残りが止まる設定です。もう予約した人に「ご予約はこちら」を送り続けると、読む人にとっては用の無い1通になるからです。
このステップでは、1通の本文が1,400字台から1,600字台あります。LINEのトークに流すのは短い誘導の文だけで、この本文はリンク先のWebのページに置いています。メールで送るときは、同じ本文をメールにそのまま書きます。
予約した人に印を付けて止める設定、リンク先のページの作り方、いま登録している人をまとめてステップに入れられるか(後の節で出てきます)は、配信ツールごとに違います。使っている配信ツールの案内で、この3つを確かめてください。
案内は何通目? それまでの通には何を書けばいいの?
案内は最後の1通だけでいい。それより前の通には、面談や問い合わせで毎回答えていることを、1通に1つずつ入れます。
弊社の勉強会のステップでは、予約のリンクは4通目にしか置いていません。1〜3通目の追伸にも置きません。
では、1〜3通目に何を書くか。個別面談や問い合わせで、毎回同じことを聞かれていないでしょうか。たとえば、こういうものです。
- 値段の理由:なぜこの値段なのか
- 向いていない人:どんな人には、この講座は合わないのか
- よくある勘違い:始める前に、多くの人が思い込んでいること
面談のたびに口で答えているこれを、1通に1つずつ書きます。
この3つは、どれも売り込みの逆側にあります。とくに「向いていない人」は、自分から「こういう人は来なくていいです」と書く1通です。売りたいだけなら、わざわざ書かない1通です。だから、最後の案内が売り込みに見えにくくなります。
1通の中身は、軸を1つに絞ります。弊社の講座でも、登録直後の1通は目的を1つに絞るように教えています。例を2つ、3つと重ねるほど、読む人の気づきは薄まります。
たとえば、個別コンサルを売っている人の3通目なら、こんな形です(作った例です)。
件名:このコンサルが合わない人
前回、「何から手をつければいいか分からない」という声を紹介しました。
今日は逆に、このコンサルが合わない人の話をします。
「毎月の数字を、自分では見たくない」という方です。
見るのは月に1回、15分で構いません。ただ、その15分を、人に任せたくなる方には合いません。
数字を見たうえで、どこを直すかを一緒に決める。それがこのコンサルの中身だからです。
次回は、このコンサルで何をするのかを、申し込み方と合わせてお話しします。
面談で毎回している説明を、面談の前に読んでおいてもらうと、面談の中身そのものが変わります。その話は、売り方の流れ全体を書いた記事のほうで詳しく書いています。
書く材料が続かないときは、どこから持ってくるの?
白紙から書かないことです。すでに話したものから取ります。
面談で話したこと、セミナーの録画、YouTubeで話したこと。どれも、すでに一度、口で説明し終えている中身です。弊社が作ったステップメールの1通にも、「発信は書くものではなく、残すもの」という1行を軸に置いたものがあります。
弊社の代表も、お客さんのステップメールを、そのお客さんのYouTubeの内容から作っています。その人が普段の動画で何を言っていて、どの話の反応がいいかが分かっていれば、1通ごとのお題に迷いません。
面談の録画が1本あれば、お客さんに聞かれて答えた場面が、いくつも入っています。その場面を1つ選んで、1通にします。
Zoom で面談を録っているなら、話した言葉を文字にして取り出すところまでは、有料プランで自動でできます。Zoom の録画から文字起こしを取り出す手順は、別の記事の前半に書いています。
いま登録している人にも使えるの?
使えます。ただし、入れ方に一手間あります。
ステップメールは「登録した日」から数えて届くので、何も設定しなければ、すでに登録している人には届きません。いま何百人もいるリストに届けるには、2つの方法があります。
- いまいる人を、今日を起点に同じステップに入れる
- 同じお題を、週1回の配信として送る
1つ目は、配信ツールによって、できる・できないが分かれます。
2つ目は、ふだんの一斉配信なので、特別な設定は要りません。弊社が週1回の配信の組み方として示しているのは、月の4本をこう割り当てる形です。
- 1週目:値段の理由
- 2週目:お役立ち
- 3週目:向いていない人
- 4週目:よくある勘違い
ステップの1〜3通目に入れたお題が、そのまま3本分になります。残りの「お役立ち」は、何を書くかが決まっています。その週にYouTubeやSNSで話したことのうち、反応が良かったものを、配信の形にして送ります。案内はこの4本には入れず、告知のときに別に出します。
しばらく何も送っていないリストなら、いきなり案内から始めないことです。前の節の言葉のとおり、いきなり来た連絡は読まれません。弊社の講座でも、ふだんから配信が届いて読まれているリストに長い前置きは要らないが、しばらく離れていたリストは別だ、と教えています。案内の前に、売らない1通を何本か挟みます。
LINEとメール、どちらで送ればいいの?
どちらでも使えます。中身は同じでいい。違うのは、届け方です。
- LINE:短い見出しだけを送り、クリックした先のページで長い本文を読んでもらう
- メール:1通目から、長い本文をそのまま書く
「LINEは長文が読まれない」という心配は、この形で解けます。LINEのトーク画面に長文を流すのではなく、トークには続きを読みたくなる1〜2行だけを置きます。
弊社の勉強会のステップでは、LINEの1行目に、読む人の心の声を置いています。たとえば、こういう1行です。
「役に立つことを書いたら、売れなくなるんじゃないか」
リンクを開くと、その心の声に答える本文がある、という組み立てです。
メールの読者がいるならメールで、LINEの登録者が多いならLINEで。両方あるなら、同じ本文を両方に使えます。1本書けば2か所に届くので、書く手間は増えません。
どこで失敗しやすいの?
弊社も、ステップメールで何度か外しています。
1つ目は、1通目の入り口です。勉強会のステップで、最初は「自分より実力が下のあの人のほうが人気がある」という悩みから入れていました。これは外しました。後ろ向きすぎるうえに、読む人がいちばん困っていることではなかったからです。その話は捨てずに、2通目で「実力は変わらないのに、見せ方の上手い人と何が違うのか」という前向きな問いに言い直して使いました。
2つ目は、読む人の気持ちを言い切ったことです。「続かないのは、毎回、白紙から書き始めているからです」と書いた1通を、「続かない原因の多くは〜」に直しました。読む人の状況を言い切ると、外れた人はそこで冷めます。弊社では、読む人の気持ちは「もし〜なら」の形で書き、言い切るのは「こうするといい」という中身のほうだけにしています。
3つ目は、書き始め方です。4通を最初から長く書いたら、1通の中に言いたいことがいくつも入っていました。そこで一度、各通に軸1つと話1つだけを残して半分以下の長さに削り、骨組みを決め直してから、元の長さまで書き足しています。骨組みは、各通の軸を1行ずつ並べたものです。1行で言えない通は、まだ軸が決まっていません。
送ったあと、何を見て直せばいいの?
開封率(メールを開いた人の割合)やクリック率(リンクを押した人の割合)は、配信の管理画面で見られます。見てください。ただし、数字を目標にしないことです。
弊社の代表は、こう言っています。
「開封率だったりなんかクリック率だったりっていうのを最適化しようとすると。なんかもう本当に良くない」
数字を上げることが目的になると、読む人のことを考えなくなるからです。目標に置くのは、その1通が誰のためのものか。数字は、あとから振り返るために使います。
振り返ると、こういうことが分かります。弊社が配信を手伝っている、ある方のメルマガ(読者17,880人)は、開封率が多くの回で20%を超え、25%前後で推移していました。いちばん高かった回は28.7%です。その中で1回だけ、13〜14%に落ちた回がありました。件名に「成功している女性経営者」と入れた回です。
配信を手伝っているスタッフ自身は、ほかの回の件名より、この件名のほうが気になる、と言っていました。弊社の代表の振り返りは、件名の「経営者」という単語が合わなかったのではないか、というものでした。「我々は一般の感覚がずれてますからね」とも言っています。
件名以外の条件はそろえていないので、原因が「経営者」の一語だとまでは言えません。それでも、書く側が気になると思った件名が、読む側には開かれなかった。数字を見ていなければ、気づかないままだったずれです。
ステップメールなら、もう1つ見る場所があります。どの通で止まったかです。たとえば、4通目まで開かれているのに、案内のリンクがほとんど押されていないなら、読む人が案内の手前で止まっている、ということまでは分かります。
なぜ止まったのかは、数字からは分かりません。そこは、面談や問い合わせで実際に聞く断りの理由から見当をつけます。「時間がない」と言われることが多いなら、時間の話を案内の前に1通足します。「高い」と言われることが多いなら、すでに書いた値段の理由の1通が答えきれていないので、その1通を書き直します。弊社の講座でも、止まった場所ごとに、止まった理由に答える1通を足すように教えています。
明日やること:面談で毎回答えていることを3つ書き出す
最初の1通を書く前に、お題を決めます。
① 直近の面談や問い合わせを、3件思い出す
録画やメモがあれば、それを見ます。お客さんに聞かれて、あなたが答えたことを拾います。
② 毎回答えていることを、3つ書き出す
値段の理由、向いていない人、よくある勘違い。この3つに当てはまらなくても構いません。「毎回聞かれる」ことなら、それがお題です。
③ 3つを1〜3通目に、案内を4通目に置く
1通目は登録の直後、2通目は1日後、3通目は3日後、4通目は5日後。予約や申し込みをした人には、残りが届かないようにします。
書き出した3つから下書きを作るなら、ChatGPT などのAIに、下の文をそのまま貼ります。
私は(商品・サービスの内容と値段)を売っています。
LINEとメールで、登録した人に4通のステップメールを送ります。
案内(申し込みのリンク)は4通目だけに置き、1〜3通目には置きません。
面談や問い合わせで、毎回答えていることは次の3つです。
①(ここに書く)
②(ここに書く)
③(ここに書く)
この3つを1〜3通目のお題にして、4通の下書きを作ってください。
条件:
・1通に伝えることは1つだけ。例も1つに絞る
・質問への答えは最後まで書く。読む人それぞれの場合にどう当てはめるかは書かず、「自分の場合はどうだろう?」と思うところで止める
・読む人の気持ちを言い切らない(「もし〜なら」の形で書く)
・「今だけ」「残りわずか」のような急かす言葉は使わない
・LINE用に、各通の続きを読みたくなる1行目も付ける出てきた下書きは、面談であなたが実際に言っている言葉に直してください。言い回しが自分のものになると、読む人には同じ人の話として届きます。
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