2026年10月14日
セールスファネルとは? 知らない人が「買う」までに通る流れのこと
説明文:セールスファネルとは、知らない人が「知る→興味を持つ→信頼する→買う」と進んでいく流れのことです。マーケティングファネルとの違い、SNSで集めて個別相談で売る形もファネルと呼べるのか、集客より先に売る話を作る理由、面談が「ただ話したい人」で埋まるときに足すもの、実際の流れを数字で見た例、いまの流れの各段に何人いたかを数える手順までまとめました。
お客さんを自分で集めて自分で売っている人から、こんな言葉をよく聞きます。
「とりあえず話したくて来ましたみたいな人がめちゃくちゃ多くて、ただでさえ時間ないのにしんどい」
広告で集めている人からは、反対の声です。「面談に人が来ない」「セミナーに人が来ない」。
だから、集める場所を変える。インスタからYouTubeへ広げる。広告を足す。配信の文章をマーケターに頼む。
それでも、頼んで上がってきた文章は「確かに売れる感じではあるけど、なんかゴリゴリすぎて違う」。
「これで売れるなら」とOKを出して配信した人からは、2つの声が返ってきます。
1つは、売上が、自分で書いていたときと変わらなかったという声。
もう1つは、売れたは売れたけれど、読んだファンに「結局売り込みか?」と思われてしまったという声です。
売れる月と売れない月の差は埋まらないまま。どこで人が抜けているのかも分からない。弊社の代表は、この状態をこう言っています。
「何人来たとかは取れるんだけど、そのライン内でどう動いたかっていうのは取れない」(ライン=公式LINE)
それでいて、弊社に相談に来る人が、口をそろえて言う言葉があります。
「意外とできてるんだけど、私、マーケティングちゃんと学んでないんで」
いまのやり方を全部捨てたいわけではないはずです。発信も、面談も、ちゃんと回っている。足りないのは、それを毎月同じくらい売れる形にすることだけ。
その月に何人集まったかに振り回されるより、来た人が自然に「買う」まで進んでいく流れを1本持っているほうが、ずっと楽ですよね。売り込まなくても、読んだ人が「これ、私に要るかも」と思って面談に来てくれる。この記事は、その1本を作るための道筋です。
セールスファネルとは? マーケティングファネルとは何が違うの?
セールスファネルとは、知らない人が「知る→興味を持つ→信頼する→買う」と進んでいく流れと、その途中の各段に何人残ったかを数えて直していく考え方です。
ファネルは英語で「漏斗(じょうご)」のこと。段を進むごとに人が減っていくので、図にすると上が広く下が細い漏斗の形になります。
講座やコンサルを売っている人なら、たとえばこういう流れです。
広告やSNSの発信 → LP(登録してもらうための1枚のページ) → LINE登録 → 特典の動画やセミナー → 個別面談 → 契約
よく並べて検索される「マーケティングファネル」は、お客さんの気持ちの段階を表す図で、セールスファネルはそれを実際のページ・配信・面談に置き換えた「道」のほうです。ここまでは、どの解説記事にも書いてあることです。
売上が安定しないのは、ファネルが無いからなの?
多くの場合、ファネルはもうあります。発信して、興味を持った人と話して、売っている。その時点で、立派な1本です。
無いのは、各段に何人いて、どこで何人抜けたかの数字です。
数字が無いと、売れなかった月に「今月は集まりが悪かった」としか言えません。本当は、集まった人数は変わらず、面談の手前で抜けていたのかもしれない。面談には来たのに、その場で決めきれなかったのかもしれない。抜けた場所が違えば、直すものもまったく違います。
弊社の代表は、反応が無いときに「需要が無い」とすぐ決めず、原因を3つに分けて考えます。そもそも需要が無いのか。数が少ないだけなのか。出している提案の中身を変えればいけるのか。
この3つを分けられるのは、段ごとの数字があるときだけです。理屈で言えば、見分け方はこうなります。
- 数が少ない:LPを見た人の数や、投稿が表示された回数そのものが少ない。見た人が少なければ、反応も少なくて当たり前です
- 需要が無い、または入口の言葉が合っていない:LPを見た人は多いのに、LINE登録や返信がほとんど無い。見たうえで誰も手を挙げていない状態です
- 提案の中身:LINE登録や面談の申込はあるのに、その次の段(面談に来る・契約する)に進まない。興味はあるのに、出している提案で決めきれていない状態です
どの数字で止まっているかによって、直す場所がまったく違います。
「SNSで集めて、個別相談で売る」も、ファネルと呼べるの?
呼べます。発信で知ってもらい、個別相談で話して、契約する。段の数が少ないだけで、形はファネルです。
この形で抜けやすいのは、真ん中の「信頼してもらう」段です。
発信を見て「この人いいな」と思った人が、そのまま個別相談に来る。商品の中身も、値段の理由も、自分に向いているかどうかも、相談の場で初めて聞く。初めて聞いた話で、その場で何十万円の申込を決めるのは、誰にとっても難しいことです。
弊社の講座では、高額の商品が決まるかどうかは、買う前にどれだけ中身を見てもらえたかに比例すると教えています。冒頭の「ただ話したい人ばかり」も、「面談に人が来ない」も、根は同じ所にあります。真ん中の段が薄いのです。
ひとりや数人の会社でも、作る意味はあるの?
あります。ただし1本だけで十分です。
ファネルを何本も作って試すのは、よくある失敗です。1本ずつの人数が少なくなり、どれが効いたのかが分からなくなります。少ない人数で回している会社ほど、1本に絞って、その1本の精度を上げていくほうが早く伸びます。
もう1つ、最初のゴールを手前に置くこと。弊社の代表は、営業の流れを作るとき、ゴールを「作ってください」に置かず、「ちょっと詳しく話聞きたいです」に置いて組み立てています。いきなり買ってもらうのではなく、まず話を聞きたいと思ってもらう。その一段を確実に越えてもらうほうが、全体はうまく回ります。講座やコンサルなら、最初のゴールは「申し込みます」ではなく、「一度話を聞いてみたい」です。
入口で受け取ってもらうものは、無料の場合も、有料の場合もあります。弊社も両方やっています。大事なのは値段より、その入口が次の段につながっているかどうかです。
何から作ればいいの?
集客より先に、売る話を作ります。弊社の講座でも、この順番で教えています。
売れる話が無いまま人を集めると、集めた人に売れません。広告費をかけて集めたのに面談で決まらない、という状態は、たいていこの順番が逆になっています。すでに自分を知ってくれている人に売れないなら、知らない人にはもっと売れません。
そして、最初に確かめる商品は、本命の高いほうにします。いまの値段は、そのままで構いません。高い商品なら、少ない人数で「この話で売れるか」を確かめられるからです。10人と話して1人決まれば、それで次に進めます。安い商品で同じだけの売上を確かめようとすると、理屈で言えば、値段が10分の1なら買う人が10人要り、10人に1人決まる割合のままなら100人と話すことになります。話す100人を集めるには何百人に届ける必要があり、集客から始めるのと変わらなくなります。これも弊社の講座で教えている順番です。
最初は、手で売ってみてください。フォロワーや過去のお客さんに個別に話して、何を聞かれたか、どこで「お願いします」になったかをメモしていく。LINEの自動の配信やLPを作り込むのは、そのあとです。売上が出る前から複雑な仕組みを作ると、どこが悪いのかを確かめる前に、作ることで手一杯になります。
面談が「ただ話したい人」で埋まるとき、何を足せばいいの?
面談で毎回話していることを、面談の前に配信で届けておきます。
個別面談で、毎回同じ順番で話していることがあるはずです。値段の理由。向いていない人。よくある勘違い。弊社ではこれを「説明の再放送」と呼んでいます。面談のたびに同じ説明をくり返しているなら、その説明を、メルマガやLINEの配信で、面談の前に読んでもらえばいい。
弊社の代表は、配信で読んでもらうことの効き目をこう話しています。
メルマガで教育というか、これ私買った方がいいかもっていうふうな状態にさせることができるんで、そうなるとやっぱりこう面談の時間も短くなって
面談が、説明を聞く場から、確かめに来る場に変わります。動画を送るなら、「面談の前に、宿題としてこれを見ておいてください」と頼むと、見てもらえる確率が上がります。
1つだけ、やらないほうがいいことがあります。「今だけ」「残りわずか」で急かすことです。その場では決まっても、ファンが離れて、次の月の面談が減ります。本当の締め切りや定員があるなら、それは書いて構いません。無いのに作るのが、急かすということです。
どこで失敗しやすいの?
いちばん多いのは、集客から始めることです。前の節のとおり、売る話が無いまま集めても売れません。
次が、集めた数を成果だと思うこと。LINEの登録が何百人になっても、その人たちが次の段に進んでいなければ、売上は増えません。リストの1件は、1人の人間です。数より、その人とどれだけ関係ができているかで、売上は決まります。
そして、1回うまくいかなかったら丸ごと作り直すこと。セミナーで決まらなかったからといって、セミナーごと捨てる必要はありません。数字を見て、抜けていた段の、その一部分だけを差し替えて比べます。
弊社自身も、失敗しています。広告から公式LINEに登録してもらい、登録特典を渡し、そのあとセミナーに案内する流れでした。「特典目当ての人が混ざるくらいなら、最初からセミナーに来る気がある人だけを集めたほうが濃くなるだろう」と考えて、特典を外しました。
結果、LINE登録1人あたりの広告費は、約500円から約1,400円に上がりました。特典を戻すと、約700円まで下がりました。
入口の段だけを見て「質を上げよう」と手を入れたら、入口に人が入らなくなった。特典は、人が登録する理由そのものでした。
下の記事の題にある「リードマグネット」は登録のお礼に渡す特典のこと、「獲得単価」は登録1人を集めるのにかかった広告費のことです。
全部ひとりでやっていても、なぜ詰まるの?
ファネルは1本の道です。けれど、その道の数字は、段ごとに別々の場所にたまっています。
広告の数字は、広告の管理画面。LINEの数字は、LINEの管理画面。面談の記録は、手帳の中。
担当が自分1人でも、数字が別々の場所にあると、流れは1本の線として見えません。広告を見る日は広告の数字だけを、LINEを見る日はLINEの数字だけを良くしようとします。弊社の代表も、こう言っています。
「いろんなツールでやってるから、データがたまってこないっていうのが一番の問題」
段ごとに人が分かれている会社だと、これがもっとはっきり出ます。弊社の代表の言葉では「それを全部やってる人が基本的にいない」、スタッフの言葉では「コピーライターはコピーライターのことが欲しいし、ラインの人はラインのことが欲しい」。
けれど、それぞれの段の数字を良くしても、全体の売上は上がるとは限りません。
リレーにたとえると分かりやすいと思います。全員が自分の区間のタイムを縮めても、バトンの受け渡しで落としていたら、チームは勝てません。ファネルで人が抜けるのは、たいてい段と段のつなぎ目です。広告で約束したことと、LPに書いてあることがずれている。配信で読んだ話と、面談で聞く話が食い違う。ひとりでやっていても、広告の文章を書いた日と面談をする日が離れていれば、同じずれは起きます。
実際の流れを数字で見るとどうなるの?
弊社が支援した、ある動画スクールの例です。約1か月、広告から個別面談までの流れを1本だけ回しました。
広告費 約15万円(148,526円)
→ LPを見た人 1,134人
→ LINE登録 140人
→ 特典の動画の再生 1話205回/2話136回/3話98回
→ 個別面談 申込27人・実施14人
→ 成約 9件・880万円
動画は人数ではなく再生回数なので、同じ人が何度も見ると数が増えます。1話の205回が、LINE登録の140人より多いのはそのためです。
段ごとに割ると、こうなります。LPを見た人のうちLINEに登録したのが約12%(140÷1,134)。LINE登録のうち面談を申し込んだのが約19%(27÷140)。申し込んだ人のうち実際に面談したのが約52%(14÷27)。面談した人のうち契約したのが約64%(9÷14)。
LPを見た1,134人のうち、買ったのは9人です。割合にすると1%に届きません。それでも、売上は880万円になりました。
いちばん大きく減っているのは、LPを見た人からLINE登録の段です。9割近くが抜けています。けれど、いちばん上の段は、どの流れでもいちばん大きく減るのが普通です。通りすがりに見ただけの人が、ほとんどだからです。減り方の大きさで直す段を選ぶと、いつもこの段になってしまいます。
見る順番は、お金に近い段からです。契約の1つ手前から上に向かって見ていき、手を挙げた人がまとまって抜けている段を、最初に直します。手を挙げた人とは、LINE登録や面談の申込のように、自分から一歩進んだ人のことです。「まとまって」の目安は、その段で半分近くが抜けているかどうかです。お金に近い段から順に見て、最初にこの目安に当たった段が直す段です。それより上の段にもっと大きく抜けている所があっても、先にお金に近いほうを直します。
この例なら、面談から契約は14人のうち9人、約64%が決まっています。面談に来た人の6割強が決まっていて、抜けたのは4割弱。目安の「半分近く」には届かないので、面談そのものは機能しています。その1つ上の申込から面談の段では、申し込んだ27人のうち13人、半分近くが当日までに来ていません。お金に近い側から見て、最初に目安に当たるのがこの段です。その上のLINE登録から申込(140人中113人が申し込んでいない)は、もっと大きく抜けていますが、直すのはこの段のあとです。
面談を申し込んだ人は、もう自分から手を挙げている人です。その人が来ないのを直すほうが、新しく人を集めるより手前で効きます。「何から作ればいいの?」の節の「集客より先に、売る話を作る」と同じ考え方です。この例なら、広告を増やして入口を広げるより、申込から面談までのあいだに何を届けるかを直すほうが、少ないお金で効く余地がありそうです。
段ごとの人数が見えていると、「今月は集まりが悪かった」ではなく、「申込から実施のあいだで半分抜けた」と言えるようになります。
明日やること:いまの流れを紙に書き出し、各段に何人いたかを数える
仕組みを作り直す前に、いまある1本を見えるようにします。
1. いまの流れを、紙に1行で書き出す
発信やSNS → LINE登録 → 動画やセミナー → 個別面談 → 契約。自分の流れを、矢印でつないで書きます。段は多くなくて構いません。
2. 先月の数字を、各段に書き込む
LPやLINEの管理画面、面談の予定表、契約の記録から拾います。登録した人数や配信ごとの数は、それぞれの管理画面にある「分析」や「レポート」の画面で見られます。ただ、誰が配信をどこまで読んで面談に進んだかまでは見えません。冒頭の言葉にあった「取れない」は、このことです。ここは段ごとの人数だけで構いません。分からない段は「?」のままにしておきます。「?」の段が、最初に数え始める場所です。
3. 契約に近い段から順に、何割が進んだかを割り算する
面談の実施から契約へ何割、申込から実施へ何割、登録から申込へ何割。お金に近い段から上に向かって見て、手を挙げた人が半分近く抜けている段があれば、そこが最初に直す段です。いちばん上の段(見た人から登録)は、どの流れでも大きく減るのが普通なので、減り方の大きさでは選びません。
4. その段の手前で、面談で毎回話していることを1つ届ける
値段の理由、向いていない人、よくある勘違い。どれか1つを、配信の1通にします。
見ていった結果、直す段が登録より前(見た人から登録)だった場合は、配信ではなく、発信の中身を見直します。見た人の数が少ないのか、見た人は多いのに誰も反応しないのかで、直すものが変わります。
数字の並べ方や割り算に迷ったら、ChatGPT などのAIに、下の文をそのまま貼ります。
私は(商品・サービスの内容と値段)を売っています。
いまの売り方の流れと、先月の各段の人数は下のとおりです。分からない段は「?」にしています。
(例:インスタの発信 → LINE登録 ◯人 → セミナー参加 ◯人 → 個別面談 申込◯人・実施◯人 → 契約◯件)
①前の段から次の段へ、何%が進んだかを計算して表にしてください。
②契約に近い段から順に見て、登録より下の段で、半分近くが抜けている段はどこか、教えてください。
③その段の手前で、お客さんに読んでもらうとよさそうな内容の案を3つ出してください。
私が面談で毎回話していることは、次のとおりです。(ここに書く)
条件:「今だけ」「残りわずか」のような急かす言葉は使わないでください。どこまで確かなの?
- 動画スクールの数字は、弊社の支援先の管理表の数字です。
- 登録特典の件は、弊社の広告での1つの記録で、ほかの条件をそろえて比べたものではありません。
- 「集客より先に売る話」「本命の高い商品から確かめる」は弊社の講座の考え方で、入口を安い商品にする別のやり方もあります。
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